【ニューヨーク時事】米航空機大手ボーイングは16日、労働組合によるストライキ実施を受け、新規採用を凍結する方針を明らかにした。商用機生産に悪影響が生じ、現金が消失するリスクを踏まえた。米メディアが内部メモの内容を報じた。
 報道によると、賃上げの時期が遅れるほか、従業員や幹部を対象に一時帰休の導入も検討。商用機の受注も減らす可能性があるという。ウエスト最高財務責任者(CFO)はメモで、「このストはわれわれの回復を危険にさらすものだ。現金を保全するための取り組みを行わなければならない」と強調した。
 ボーイングと、西部地域の従業員約3万3000人が加入する労組は8日、25%の賃上げなどを柱とした労働協約の締結で暫定合意した。ところが、水準が不十分などとして組合側が投票で協約を否決、13日からストを決行した。
 報道によると、ストを1週間続けると、5億ドル(約700億円)の追加コストがかかるとの見方もある。今年1月の機体事故で業績が悪化する中、ストが長期化すれば、ボーイングの財務基盤はさらに弱体化しそうだ。(了)

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