【シリコンバレー時事】3日の米株式市場で、米半導体大手エヌビディアの株価が前週末終値比9.5%急落し、時価総額が約2790億ドル(約40兆円)目減りした。経済指標の弱さを背景に景気減速への懸念が強まり、過熱気味のAI(人工知能)半導体関連銘柄に売りが広がった。米メディアによると、1銘柄の1日の減少額としては過去最大。
 エヌビディアはAI半導体で圧倒的なシェアを握る。2022年の米オープンAIによる「チャットGPT」公開後の需要の高まりを捉え、業績が急拡大。時価総額は今年6月に3兆ドルを超え、一時アップルやマイクロソフトを抜き首位に立った。24年5~7月期決算も売上高、純利益ともに四半期ベースの過去最高を更新した。
 ただ、半導体新製品「ブラックウェル」の生産が遅れているとの懸念を払拭できず、株価はさえない。また、ブルームバーグ通信は3日、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで、エヌビディアに証拠提出を求める召喚状を送付したと報道。独禁法訴訟に発展するとの見方も強まっている。
 ブルームバーグの世界長者番付によると、フアン最高経営責任者(CEO)は3日、98億ドルの資産を失った。資産総額は949億ドルで、18位に付けている。 
〔写真説明〕米エヌビディアのロゴ(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)