国土交通省は、全国の道の駅のうち、災害時に救援活動の拠点や一時避難場所となる「防災道の駅」を今年度中にも追加で選定する。物資輸送などの中継基地として、高速道路のインターチェンジ(IC)への近さなどを重視。現在の39カ所から、将来的に計100カ所程度に増やし、各都道府県に1~2カ所とすることを目指す。
 防災道の駅は、都道府県の地域防災計画などに広域的な防災拠点として位置付けられ、2500平方メートル以上の駐車場があることなどが要件。2021年に36道県39カ所が選定された。
 今年1月の能登半島地震では、選定施設である「のと里山空港」(石川県輪島市)に国や自衛隊が応援部隊の拠点を開設。非常食などの備蓄があるため、多くの被災者の一時避難を受け入れた。
 国交省は大規模災害に備え、防災道の駅を増やす考え。幹線道路にアクセスしやすい施設を拠点とするため、選定の要件に「最寄りのICまで5キロ圏内」「重要物流道路と接している」といった項目を加えることを検討している。
 国交省によると、これらの要件を満たす道の駅は全国に215カ所あり、このうち2500平方メートル以上の駐車場を備えているのは186カ所。同省は追加選定に向け、今年度中に施設を管理する自治体から提案を募る。選定施設には国の交付金を重点配分。一時避難場所としての機能を確保するため、食料の備蓄などに努めるよう求める。 
〔写真説明〕石川県輪島市の防災道の駅「のと里山空港」の駐車場に集結した災害対応車=1月17日、同市(国土交通省提供)
〔写真説明〕新潟県妙高市の防災道の駅「あらい」で実施された訓練の様子=2023年10月15日、同市(国土交通省提供)

(ニュース提供元:時事通信社)