36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件から5年となるのを前に、事件を伝える「志を繋ぐ碑」が14日、京都府宇治市の「お茶と宇治のまち歴史公園」に設置され、式典が開かれた。事件を巡り碑が設置されるのは初めて。
 碑はアルミ製で、高さ約3メートル。事件で犠牲となった36人の個性が飛翔(ひしょう)している姿をモチーフに、鳥が空に羽ばたく様子を表現した。碑には「夢と情熱を人から人へ」などの文も添えられた。国内外から寄せられた義援金の一部が充てられ、東京芸術大が制作を担当した。

 式典には、遺族や八田英明同社社長、西脇隆俊京都府知事ら約100人が参列。「多くの方にとって、思いを寄せる象徴となることを願っています」との同社従業員代表のメッセージが読み上げられた。その後、八田社長から松村淳子宇治市長に目録が手渡され、碑が同市に寄贈された。
 遺族代表のあいさつで、娘を亡くした父親は「これからも京アニの作品が多くの人々の心に残り、亡くなったスタッフの思いが生き続けることを願っています。これからも前を向いて歩んでいきたい」などと話した。 
 碑を訪れた京アニファンという愛知県の福井幸司さん(38)は「(今まで)正式な場で思いを形にできなかったので、これからいろんな人が来て、京アニや宇治の街が未来に向けて発展していけばいいなと思う」と語った。
 同社は今回の碑とは別に、事件現場となった同社第1スタジオ跡地(京都市伏見区)にも慰霊碑の建立を目指している。(了)

(ニュース提供:時事通信 

36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件を伝える「志を繋ぐ碑」=14日午前、京都府宇治市の「お茶と宇治のまち歴史公園」

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