12日午前4時ごろ、松山市緑町で山の斜面が崩れ、近隣の住宅1棟に土砂が流入した。この家に住むとみられる40~90代の男女3人と連絡が取れていない。消防や警察が夜を徹して捜索に当たる。
 市消防局によると、松山城の天守の東側から幅約50メートル、高さ約100メートルにわたって土砂が崩れた。周辺の住宅にも土砂が流入している。近くの住民によると、土砂崩れは同5時ごろにも起きたという。
 市は12日午前5時に災害対策本部を設置。緑町を含む清水地区に最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」を発令した。
 市によると、天守周辺の緊急車両用道路が昨年の豪雨で損傷したため、今月1日から復旧工事を行っていた。今回の土砂崩れの起点かどうかは不明という。
 土砂が流入した家の隣にある実家の様子を見に来た同市の男性教員(64)は「弟から『隣の家が流されとる』と電話があった」と不安そうに話した。男性によると、この家には足の不自由な高齢夫婦と息子が3人で住んでいるという。 
〔写真説明〕土砂崩れが発生した現場=12日午前、松山市(住民提供)
〔写真説明〕土砂災害があった住宅街=12日午前、松山市

(ニュース提供元:時事通信社)