2024/06/27
防災・危機管理ニュース
LPガス容器用のバルブを巡り、販売価格を引き上げるカルテルを結んだとして、公正取引委員会は27日、独禁法違反(不当な取引制限)で、東証スタンダード上場「ハマイ」(東京都品川区)と、同「宮入バルブ製作所」(同中央区)など5社に対し、計約7億円の課徴金納付を命令した。
公取委はバルブの原材料となる黄銅の価格上昇を受け、自社の利益を確保するために価格を引き上げたと判断した。
他に処分されたのは、「宮入商事」「東京宮入商事」(いずれも大阪府池田市)と「富士工器」(名古屋市)。5社には再発防止などを求める排除措置も命じた。
公取委によると、ハマイや宮入バルブ製作所など4社は2021年と22年の2回にわたり、営業責任者らによる会合で、LPガス販売業者らへの販売価格引き上げに合意。決定内容は富士工器にも共有され、同社も歩調を合わせた。
課徴金は、ハマイが最も高い4億5459万円。各社とも、減免の申請順位に加え、事件の真相解明への貢献度に応じて減算率が加算される「調査協力減算制度」の適用で25~30%減免された。
対象となったバルブの22年の市場規模は約74億円。5社でシェアの100%を占めているという。
記者会見した公取委の小室尚彦第2審査長は「原材料価格が上昇している状況下であったとしても、一般消費者を含む事業者に被害を与える不当な値上げで、決して許されるものではない」と指摘した。
ハマイは命令を受け、「コンプライアンスおよび再発防止策の徹底に努めていく」などとコメント。他の4社も同様の考えを示した。
〔写真説明〕LPガス容器用バルブのカルテルを巡り記者会見する公正取引委員会の小室尚彦第2審査長(左)=27日午後、東京・霞が関
(ニュース提供元:時事通信社)
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