2024/06/26
防災・危機管理ニュース
【ソウル時事】防衛省は、北朝鮮が26日早朝(日本時間同)に日本海へ向け、少なくとも1発の弾道ミサイルを発射したと発表した。韓国軍は、北朝鮮が弾道ミサイルを平壌から発射し失敗したと推定。「極超音速ミサイル」の実験だった可能性があると分析した。
防衛省によると、弾道ミサイルは最高高度100キロ程度で、200キロ以上飛行。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。北朝鮮による弾道ミサイル発射は5月30日以来。
韓国軍関係者は記者団に「北朝鮮が発射したミサイルは海上で空中爆発した」と説明。「固体燃料式の極超音速ミサイルの試験を行ったと推測している」と述べた。
極超音速ミサイルは、音速の5倍(マッハ5)以上で低い高度を変則的に飛行する兵器で、迎撃が難しいとされる。北朝鮮は1月と4月に「新型の極超音速ミサイルの発射実験を行った」と主張。4月のミサイルの名称を「火星16ナ」と発表していた。
韓国南部・釜山には今月22日、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が日米韓3カ国の共同訓練に参加するため寄港。北朝鮮の国防次官は24日の談話で「米韓の挑発に対し、新たな抑止力誇示で対抗する可能性がある」と警告しており、ミサイル発射で米空母展開への反発を示したもようだ。
日本政府は「国連安全保障理事会決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題だ」と発射を批判。北朝鮮に対し厳重に抗議した。航空機・船舶などへの被害は報告されていない。
日米韓の北朝鮮担当高官は、発射を受けて電話協議を行った。3者は「地域や国際社会の平和と安定を脅かすものだ」と発射を非難し、緊密な連携を確認した。
〔写真説明〕26日、韓国・延坪島沖で観測された北朝鮮の弾道ミサイルによるとみられる飛行機雲(EPA時事)
〔写真説明〕26日、ソウルの駅で北朝鮮の弾道ミサイル発射のニュースを見る韓国の人々(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)


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