21日に閣議決定された政府の経済財政運営の基本指針「骨太の方針」では、「人口減少を機会と捉え、新技術の徹底した社会実装を促進する」とし、高速道路での自動運転について「今後10年で全国展開を図る」と明記した。一方、一般ドライバーが自家用車を使い有償で客を運ぶ「ライドシェア」の全面解禁は、引き続き議論するとした。
 高速道では、優先レーンなど自動運転車を支援する機能を備えた道路整備も行う方針だ。新東名高速の一部区間では、トラック運転手の残業規制強化で物流の停滞が懸念される「2024年問題」への対策として、年度内に自動運転優先レーンを設置した社会実験が予定されている。
 国土交通省などは自動運転車の増加を見据え、道路脇に設置したセンサーで落下物や道路状況、歩行者を検知し、事故防止につなげるシステムの構築などを進めている。
 骨太では、地域の移動手段の確保として期待される一般道路の自動運転についても言及。24年度に全国約100カ所で計画を策定し、運行に取り組んだ上で、「25年度に全都道府県での通年運行を目指す」方針を掲げた。
 今年4月、都市部を中心に一部解禁されたライドシェアでは「全国で利用可能とする」との方針を明記。ただ、政府・与党内で賛否が割れる全面解禁については「法制度を含めて事業の在り方の議論を進める」とし、結論時期を示さなかった。 

(ニュース提供元:時事通信社)