政府は4日、2023年度の森林・林業白書を閣議決定した。花粉症を初めて特集し、原因であるスギの人工林の伐採や花粉の少ない苗木への植え替えを加速させると明記。花粉の発生源となるスギ人工林の面積を10年後に2割程度減らし、30年後に花粉の発生量を半減させる目標を打ち出した。
 白書では戦後に造られた人工林が利用期を迎えているとし、木材需要の拡大などに「消費者を含めた社会全体で取り組む必要がある」と訴えた。 
 人工林は国土保全や木材需要の高まりに対応するため集中的に造成され、面積は1949年の約500万ヘクタールから現在は約1000万ヘクタールに倍増。このうちスギは約4割を占め、木の成長とともに花粉症などが顕在化している。
 政府は23年5月、花粉症対策の全体像を決定。都市部周辺を重点区域に設定し、伐採や植え替えを進めるほか、建築物に使うスギ材の需要拡大、効率的な作業のため高性能な林業機械の導入などに取り組むとした。(了)

(ニュース提供:時事通信 2024/06/04-08:36)

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