2024/06/05
防災・危機管理ニュース
トヨタ自動車など5社で発覚した「型式指定」を巡る認証不正は、景気回復の足取りに悪影響を及ぼす懸念がある。5社のうち、トヨタ、マツダの乗用車大手2社と二輪車大手ヤマハ発動機では、現行生産車種で不正行為があったため、国土交通省は3社の計6車種について安全性を確認するまで出荷を停止するよう指示した。再開が遅れれば、影響は部品取引先や販売店などに広がりそうだ。
日本経済は足踏みしながらも緩やかに回復しているが、2024年1~3月期の実質GDP(国内総生産)速報値は年率換算で2.0%減と、2四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んだ。先に認証不正が発覚したダイハツ工業が国内で生産する全車種の出荷をいったん停止したことが響いた。ダイハツの国内生産は年間90万台規模だったため、影響が大きくなった。
今回、出荷停止対象となったのは、トヨタの「カローラフィールダー」など3車種、マツダの「マツダ2」など2車種、ヤマハ発の「YZF―R1」。6車種の合計生産台数は年間約14万台で、うち約9割をトヨタ車が占める。出荷停止台数はダイハツ車に比べれば少ないものの、「日本経済に与える影響は大変大きい」(鈴木俊一財務相)と政府も動向を注視する。
日本の自動車産業は、約550万人の雇用を抱える。全製造業の出荷額に占める割合は2割と、日本経済を支える屋台骨の産業で、輸出の稼ぎ頭でもある。認証不正で日本車の信頼が揺らげば、「メード・イン・ジャパン」のブランド全体にも傷が付きかねない。みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミストは「日本の稼ぐ力を維持するためにも、自動車各社は認証不正の問題(解決)に真剣に取り組むべきだ」と指摘する。
(ニュース提供元:時事通信社)
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