JR東海の丹羽俊介社長は16日、定例記者会見で、リニア中央新幹線の「日吉トンネル」の掘削工事が行われている岐阜県瑞浪市で井戸などの水位が低下している問題を受け、トンネル掘削工事を一時中断してボーリング調査を行う方針を明らかにした。一方、2034年以降とみられる開業時期には「影響が出るということにはならない」と強調した。
 瑞浪市の大湫盆地の手前まで掘削した後、工事を一時中断し、地質状況を把握するため数百メートルのボーリング調査に着手する。開始時期や期間などは未定。代替水源の確保策として、数日以内に井戸を掘り始める方針も示した。
 JR東海によると、今年2月下旬、観測用に設置した井戸で水位の低下を把握した。その後、共同水源や個人宅の井戸など14カ所で水位の低下が確認された。丹羽社長は掘削工事と水位低下との因果関係について「周辺でこの工事以外に地下水に影響するような工事が行われていないことから、本工事による影響の可能性が高いと考えている」と述べた。 
〔写真説明〕記者会見するJR東海の丹羽俊介社長=16日午後、名古屋市

(ニュース提供元:時事通信社)