【カイロ時事】イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区ガザ北部のジャバリヤで、イスラム組織ハマスと激しい地上戦を行った。パレスチナのメディアが伝えた。軍は、ハマスがガザの複数箇所で「(態勢を)立て直そうとしている」と指摘。11日にジャバリヤに空爆を加えていた。
 ガザ当局者はロイター通信に、イスラエル軍がジャバリヤに戦車を展開していると説明した。これまでにパレスチナ人19人が死亡したという。軍は昨年10月のガザ侵攻以来、北部で地上戦を実施し、今年1月には北部のハマスの部隊を解体したと発表していた。ガザ保健当局の12日の発表によると、ガザ侵攻に伴うパレスチナ人の死者は3万5000人を超えた。
 イスラエル軍は11日、ジャバリヤの住民約10万~15万人に避難を呼び掛けた。最南部ラファでも退避勧告の対象地域を拡大。ラファから約30万人が「人道地域」に向け避難したと発表した。これについて欧州連合(EU)のミシェル大統領はX(旧ツイッター)で、「安全とは言えない場所への退避勧告は容認できない」と批判した。
 ハマスはこれまでも、イスラエル軍が制圧した地域に復帰して拠点を再構築してきた。イスラエルのメディアは、ハレビ軍参謀総長がネタニヤフ首相に対し、ガザの「戦後統治」の具体的動きがない中では、ハマス解体のため「何度も作戦を実施しなければならない」と不満をぶつけたと伝えた。 
〔写真説明〕11日、荷物を抱え、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤの避難民キャンプから退避する人々(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)