2024/05/04
防災・危機管理ニュース
「屋根が壊れている」とうそを言い、高額なリフォーム代金をだまし取る悪質業者の相談が急増し、警視庁が警戒を強めている。取り締まりの強化に加え、被害に遭いやすい一軒家を戸別訪問し、被害防止の啓発にも力を入れる。
国民生活センターによると、屋根工事の「点検商法」に関する相談件数は2018年度に923件だったが、22年度は2885件と5年間で約3倍に増加した。
警視庁によると、悪質業者は一軒家を訪れ、「屋根が飛ばされると近所に迷惑がかかる」などと言って契約を結ぼうとする。住人が自ら屋根に上る機会が少ないことに目を付け、点検と称して上った屋根を自ら破壊し、「修理が必要」とうそをつくケースもあるとみられるが、住民は被害に気付きにくいのが特徴だ。
屋根工事を巡るトラブルは能登半島地震の被災地でも相次いだ。同センターには、業者に高額契約を結ばされ、解約を申し出ると、ブルーシートを掛けた代金として約8万円を請求されたとの相談などが寄せられた。
悪質業者の摘発に力を入れる同庁は3月、「屋根の一部が飛びそうだ」とうそをついて工事代金をだまし取ろうとしたとして、詐欺未遂容疑で、20代のリフォーム会社元社員を逮捕した。契約を結ばされた川崎市の30代男性は、約52万円を請求されていた。
4月には「悪質業者は録音して110番通報します」と記載した防犯ステッカー20万枚も作成した。インターホンに貼れる大きさで、各警察署の署員が一軒家を訪問し配布している。
防犯対策の強化に取り組む同庁の二宮健生活安全総務課長は「飛び込みで点検に来る業者には注意し、不安を感じたらすぐ警察に相談してほしい」と呼び掛けている。
〔写真説明〕住人に悪質リフォーム業者への注意を呼び掛ける警視庁の警察官(右)=4月26日、東京都内
〔写真説明〕インターホンに貼られた警視庁の防犯ステッカー=4月26日、東京都内
(ニュース提供元:時事通信社)
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