「深くおわび申し上げる」。小林製薬が製造した紅麹(べにこうじ)配合サプリメントを摂取した人から健康被害の訴えが相次いでいる問題で、同社の小林章浩社長が29日、大阪市内で記者会見し、謝罪した。

 同社の会見は、問題を公表した22日に続き2回目で、死亡例が確認されてからは初めて。会議場で午後2時から始まり、50社を超える報道陣が詰め掛けた。

 紺色のスーツとネクタイで会場に姿を見せた小林社長は、神妙な面持ちで登壇。用意した原稿に目を落としながら、遺族や顧客らに対し「言葉に尽くせない大変なご迷惑をおかけしている」と述べ、同席した役員らと約10秒間、深く頭を下げた。

 報道陣からは、公表の遅れや異物混入の原因について質問が集中した。小林社長は「当初は紅麹が原因だと分からなかった」と述べ、「原因物質の特定や分析に取り組んでいた」などと釈明に追われた。

 自身の進退については、「(辞任は)今のところ考えていない。(全容究明などの)取り組みに集中させていただきたい」と述べるにとどめた。

 同社は全ての質問に回答するとし、会見は約4時間半に及んだ。小林社長は終始うつむきがちで、時折疲れた表情も見せた。 (了)

(ニュース提供元:時事通信社 2024/03/29-19:53)

(ニュース提供元:時事通信社)