2024/03/25
防災・危機管理ニュース
【ニューデリー時事】ロシア・モスクワ郊外で22日起きた銃乱射事件で、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張した。専門家はロシアが近年、アフガニスタンを拠点とするIS支部「イスラム国ホラサン州」(IS―K)の優先的な標的となっていると指摘する。
「ホラサン」とはアフガンやイランの一部地域などを指す歴史的な呼称。IS―Kは2015年1月に設立を宣言、アフガンのイスラム主義組織タリバンの元メンバーらがISに忠誠を誓い構成員となった。主に同国やパキスタンで活動する。
タリバンと同じくイスラム教スンニ派だが、タリバンが20年に米国と和平合意を結んだことを批判。対立関係にある。
今回の事件の実行犯はアフガンと接する旧ソ連構成国タジキスタン国籍と報じられている。IS―Kは近年、中央アジアを越えロシアにも勢力拡大を図っていたとされる。テロ専門家のハンス・ヤコブ・シンドラー氏はAFP通信に対し、「ウクライナ侵攻への注力に伴い、ロシアはより魅力的な標的となっている」と語り、国内の治安対策が手薄になった隙を突かれたことを示唆した。
旧ソ連のアフガン侵攻や、ロシアによる2度のチェチェン紛争がロシア敵視の背景にあるとみる専門家もいる。ロシア南部チェチェン共和国はイスラム教徒が多数派を占めており、同じイスラム教徒がロシアの「弾圧」を受けたとの見方だ。シリアなどを勢力範囲としたISが、同国のアサド政権を支援するロシア軍の空爆を受けた経緯から、ロシアへの反感を強めていたとも伝えられている。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/01/07
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/01/05
-
-
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方