2024/03/23
防災・危機管理ニュース
モスクワ北西郊外のコンサート会場で22日夜、銃の乱射で近年最悪の死傷者を出すテロが発生し、ロシア当局は捜査を本格化させた。プーチン政権は「ウクライナのテロ」(メドベージェフ安全保障会議副議長)の可能性に言及。こうした反応には、戦時として国内を引き締め、追加動員を容易にする意図も見え隠れする。
「反ウクライナのヒステリーをあおり、ロシア国民の動員を強化するためだ」。ウクライナ外務省は声明で改めて関与を否定した。同国情報機関も「プーチン政権の謀略」と主張した。
調査報道機関ベリングキャットの調査員は今回、「動員の口実となるかもしれない」と独立系メディアに指摘している。
侵攻は3年目に入り、ロシア西部ベルゴロド州が砲撃を受け、連日のように死傷者が出ている。プーチン大統領は最近の記者会見で、ロシア本土が越境攻撃されないよう、緩衝地帯としてウクライナ北東部ハリコフ州を占領するシナリオを示唆。ペスコフ大統領報道官も「われわれは戦争状態にある」と述べ、国民に覚悟を促した。
プーチン氏は圧勝で大統領選通算5選を決め、継戦に国民のお墨付きは得た。しかし、2022年秋に予備役動員令で国内が混乱に陥った記憶は新しく、きっかけなしには追加動員に踏み切りづらいという事情がある。
別の独立系メディアは22日、ハリコフ州包囲のため「国防省が30万人派兵を計画している」と報じた。予備役に代わる志願兵の採用が「昨年秋に比べ20分の1」と頭打ちになっており、政権は社会の反発を最小化した形での動員を模索しているという。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/26
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方