2024/03/13
防災・危機管理ニュース
麻疹(はしか)が海外で流行し、国内での感染拡大に警戒感が高まっている。3月までに11人の患者が報告され、新型コロナウイルスの流行期だった2020~22年の年間の感染者数を超えた。手洗いやマスク着用のみでは予防が困難なため、専門家はワクチンの定期接種が重要だとしている。
はしかは、感染すると約10日後に風邪のような症状が出て、その後高熱と発疹が現れる。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、先進国でも1000人に1人の割合で死亡する。
日本では08年に1万人超の患者が出たが、定期接種の機会が1歳児と小学校入学前の2回に増えたことなどから、患者数が激減。新型コロナ禍で水際対策が強化された20年は10人、21~22年は6人、23年は28人にとどまった。
一方、海外では流行が拡大。11日時点で日本で確認された患者11人のうち8人は、関西国際空港に到着した国際線の乗客だった。武見敬三厚生労働相は8日の閣議後会見で、「欧州地域の症例報告数は前年度の30倍以上に増加した。国内流行も注意が必要な状況だ」と危機感をあらわにした。
はしかには予防接種が有効だが、世代によって定期接種の回数が異なる。1990年4月1日以前に生まれた人は0~1回にとどまるため、同省は確認などを呼び掛けている。
国立感染症研究所の斎藤智也・感染症危機管理研究センター長は「国際的な往来が活発になり、国内にウイルスが持ち込まれるリスクが高まっている。2回のワクチン接種が重要だ」としている。
〔写真説明〕小児科の診察室(資料)
(ニュース提供元:時事通信社)
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