沖縄県の宮古島周辺で昨年4月、陸上自衛隊のUH60JAヘリコプターが墜落、10人が死亡した事故で、陸自が、事故原因を特定できなかったとする調査報告書をまとめたことが11日、防衛省関係者への取材で分かった。ヘリに2基あるエンジンの出力が相次いで低下していたという。近く公表する。
 防衛省関係者によると、企業と協力し、回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)の解析などを進めたところ、事故直前にヘリ右側のエンジンの出力が急低下していたことが分かった。配管などの不具合で出力が徐々に低下する「ロールバック」という現象が起きたとみられるという。間もなく左側の出力も低下したため、機体の高度を維持できず墜落していた。 
〔写真説明〕作業船によって引き揚げられたヘリコプターの機体=2023年5月2日、沖縄県宮古島市・池間島沖

(ニュース提供元:時事通信社)