【イスタンブール時事】イラン外務省は18日夜、パキスタンによるイラン領内への攻撃を受けて、「イランとパキスタンの善隣友好政策を堅持する。敵が両国の友好的な関係を緊張させるのは許さない」との声明を発表した。攻撃は非難しつつも、近隣国との関係維持の方針を強調することで情勢緊迫化を防ぎ、国内の動揺を抑えたい思惑もあるとみられる。
 声明では、パキスタンが国境地帯でイラン人以外に対する無人機攻撃を加えたことを「均衡を欠き、受け入れられない」と反発した。一方で、「イランは兄弟国のパキスタン政府と武装テロリストを区別している」と指摘。「シオニスト(イスラエル)による虐殺と犯罪がイスラム世界に影響を及ぼす最大の問題である時に、敵やテロリストが善隣関係を汚すことは認めない」と強調した。
 また、パキスタン外務省によると、ジラニ外相は19日、イランのアブドラヒアン外相と電話会談し、「相互信頼と協力の精神」に基づき、安保問題での一層緊密な協力の必要性を強調した。 
〔写真説明〕イラン(写真左、AFP時事)とパキスタンの国旗(EPA時事)(資料写真)

(ニュース提供元:時事通信社)