2023/12/20
防災・危機管理ニュース
政府は20日、デジタル行財政改革会議(議長・岸田文雄首相)を首相官邸で開き、中間報告をまとめた。道路運送法で原則禁じられている一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」については、タクシーが不足する地域や時間帯に限り、タクシー会社の運行管理の下で来年4月から一部解禁。都市部や観光地などでタクシー不足解消を図る。
今年度中にライドシェア導入に向けた新制度を創設。タクシー配車アプリのデータに基づき、タクシーが不足する地域や時間帯を特定し、一般ドライバーを活用できるようにする。安全性確保や事故時の補償に関する懸念を踏まえ、車両整備や運行に関する管理、ドライバー教育、運送責任はタクシー会社が担う。全面解禁に向けた法整備の議論も行うと明記。来年6月に結論を出す考えだ。
首相は会議で「施策の効果を検証しつつ、タクシー事業者以外がライドシェアを行うことを位置付ける法制度の議論を開始する」と表明した。
交通手段の確保が困難な過疎地で、自治体やNPO法人に限定して有料の送迎を認めている現行の「自家用有償旅客運送」制度も拡充。国土交通省は現在、要件の目安に「半径1キロ以内にバス停・駅がない地域」などを掲げるが、タクシーが不足する夜間も加える。運転手の確保のため、タクシーの約半分としていた運賃の目安を約8割まで引き上げる。
タクシーの規制も緩和する。一部地域で運転手登録の際に課されている地理試験を今年度中に廃止。運転手に義務付けられる10日間の研修要件も今年度中に見直す。
〔写真説明〕デジタル行財政改革会議で発言する岸田文雄首相(手前から3人目)=20日午後、首相官邸
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方