2023/12/20
防災・危機管理ニュース
ダイハツ工業による新車の試験認証不正で、対象車種がこれまでの6車種から、現在生産しているほぼすべての車種に拡大することが20日、分かった。同社は同日、国内外で生産している全車種の出荷を停止すると発表。国内トップクラスの小型車メーカーの不正は、経営を揺るがしかねない異例の事態に発展した。
ダイハツは同日、第三者委員会による調査結果を国土交通省に報告した。報告書によると、新たに25の試験項目で174件の不正が判明。国交省は事態を重くみて、21日に同社の立ち入り検査に乗り出す。
奥平総一郎社長と親会社のトヨタ自動車幹部らが20日午後、東京都内で記者会見し、詳細を説明する。トヨタグループでは、日野自動車でもエンジン認証不正が発覚しており、親会社の責任も問われそうだ。
ダイハツは4月、トヨタブランドを含む海外向け4車種について、側面衝突試験の認証申請を巡り不正があったと発表。さらに5月には、国内向けの小型SUV(スポーツ用多目的車)「ロッキー」のハイブリッド車(HV)と、トヨタにOEM(相手先ブランドによる生産)供給しているHV「ライズ」でも不正が判明し、生産・出荷を停止した。
弁護士らによる第三者委員会が不正行為の全容解明と原因の分析を進めていたが、調査は長期化。ダイハツとトヨタは10月中旬以降、国内向け2車種について、生産再開の見通しが立たないため顧客からの注文を順次取り消すなど、影響が広がっていた。
〔写真説明〕ダイハツ工業のロゴマーク
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 認証不正
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
パリ2024のテロ対策期間中の計画を阻止した点では成功
2024年最大のイベントだったパリオリンピック。ロシアのウクライナ侵略や激化する中東情勢など、世界的に不安定な時期での開催だった。パリ大会のテロ対策は成功だったのか、危機管理が専門で日本大学危機管理学部教授である福田充氏とともにパリオリンピックを振り返った。
2024/11/29
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/26
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方