ダイハツ工業による新車の試験認証不正で、対象車種がこれまでの6車種から、現在生産しているほぼすべての車種に拡大することが20日、分かった。同社は同日、国内外で生産している全車種の出荷を停止すると発表。国内トップクラスの小型車メーカーの不正は、経営を揺るがしかねない異例の事態に発展した。
 ダイハツは同日、第三者委員会による調査結果を国土交通省に報告した。報告書によると、新たに25の試験項目で174件の不正が判明。国交省は事態を重くみて、21日に同社の立ち入り検査に乗り出す。
 奥平総一郎社長と親会社のトヨタ自動車幹部らが20日午後、東京都内で記者会見し、詳細を説明する。トヨタグループでは、日野自動車でもエンジン認証不正が発覚しており、親会社の責任も問われそうだ。
 ダイハツは4月、トヨタブランドを含む海外向け4車種について、側面衝突試験の認証申請を巡り不正があったと発表。さらに5月には、国内向けの小型SUV(スポーツ用多目的車)「ロッキー」のハイブリッド車(HV)と、トヨタにOEM(相手先ブランドによる生産)供給しているHV「ライズ」でも不正が判明し、生産・出荷を停止した。
 弁護士らによる第三者委員会が不正行為の全容解明と原因の分析を進めていたが、調査は長期化。ダイハツとトヨタは10月中旬以降、国内向け2車種について、生産再開の見通しが立たないため顧客からの注文を順次取り消すなど、影響が広がっていた。 
〔写真説明〕ダイハツ工業のロゴマーク

(ニュース提供元:時事通信社)