2010/11/25
誌面情報 vol1-vol22
その上で、各事業部へのアンケート調査を実施するわけだが、経済産業省の実践テキストの調査事務局を担当した有限責任監査法人トーマツの達脇恵子氏は、より具体的なリスクを洗い出すためのポイントとして、調査事務局が、あらかじめ考えられるリスクを例として示すことを勧める。
「突然、おたくの部署のリスクを出してくれと言われても、一体何を出せばいいのか担当者は困ってしまいます」(達脇氏)事例の1つとして防災・BCP対策に関するリスクを示しておけば、社員からの理解も得られやすくなるだろう。
この作業により洗い出されるリスクは、防災やBCPに関するものだけでなく、労働安全やコンプライアンス、情報セキュリティなど多岐にわたるため、大企業なら1000を超えることもめずらしくないという。ただし、優先順位づけをして対処していくときに1000以上もあるとハンドリングしきれないため、実際には100以内に集約されるケースが多いようだ。
最も重要なのは、組織全体として網羅性のあるリスクのリストをつくることだと達脇氏は語る。「網羅性のあるリストでないと、全体を管理する側として死角がないか、抜け落ちているものがないか、不安になってしまいます」(達脇氏)。
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方