2022/08/27
事例から学ぶ

2001 年に創業し「はてなブックマーク」や「はてなダイアリー」(現在はサービスを終了しはてなブログへ統合)でインターネットサービスをリードしてきたはてな(本社:京都府京都市、栗栖義臣代表取締役社長)。2016 年に東証マザーズ市場へ上場を果たし、コンテンツプラットフォーム、コンテンツマーケティング、テクノロジーソリューションを中心にサービスの幅を広げながら、リスクマネジメントと関連情報の積極的な開示に取り組んでいる。
はてな
京都府
※本記事は月刊BCPリーダーズvol.26(2022年5月号)に掲載したものです。
❶リスクマネジメントを支える企業文化
・オープンなコミュニケーションが根付き、誰でも情報にアクセスできる職場環境。風通しのよさがリスク情報の迅速な共有と危機時の対応を支える
❷リスク情報開示の好事例
・法定開示するリスクの評価と記載の方法を工夫し、文章の説明だけに頼らず誰でも把握しやすいよう一覧表で整理。金融庁から情報開示の好事例として評価を受けた
❸サステナビリティーを意識
・インターネット事業も温室効果ガスの排出に関わっているという意識から、気候変動リスクと人権リスクを注視。リスクマネジメントの新たなテーマに
リスク情報開示の好事例
同社は2019年に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令改正」に合わせ、有価証券報告書で開示するリスク情報の改善に取り組んだ。そして2022年2月に金融庁から「記述情報の開示の好事例2021」として評価された。
事業リスク全体の対外的な開示を担当する経理部長の堀内潤一氏は「法定開示する素案を早めに選定し、経営陣のレビューを受け、ブラッシュアップしながら作成した。金融庁より2018 年から先行して紹介されている好事例を参考に、事業にフィットしたリスクの開示を模索した結果」と話す。
同社の全社的リスクマネジメントは、代表取締役社長を委員長とし、経営会議を構成する常勤取締役、常勤監査役、執行役員が参加するコンプライアンス・リスク委員会が管理する。事務局の運営は総務部が行い、コーポレート本部長を担当する取締役が事務局長を務める。
堀内氏は「コンプライアンス・リスク委員会の開催は原則として年2回。最近のトピックスは、改正個人情報保護法の施行と改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)への対応」と語る。法改正の影響を洗い出し、社内対応を委員会で検討した。
事例から学ぶの他の記事
おすすめ記事
-
DXを加速するには正しいブレーキが必要だ
2月1日~3月18日は「サイバーセキュリティ月間」。ここでは、企業に押し寄せているデジタルトランスフォーメーション(DX)の波から、セキュリティーのトレンドを考えます。DX 時代のセキュリティーには何が求められるのか、組織はどう対応していくべきか。マクニカ ネットワークスカンパニー バイスプレジデントの星野喬氏に聞きました。
2025/03/09
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/03/05
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/03/04
-
-
-
トヨタが変えた避難所の物資物流ラストワンマイルはこうして解消した!
能登半島地震では、発災直後から国のプッシュ型による物資支援が開始された。しかし、物資が届いても、その仕分け作業や避難所への発送作業で混乱が生じ、被災者に物資が届くまで時間を要した自治体もある。いわゆる「ラストワンマイル問題」である。こうした中、最大震度7を記録した志賀町では、トヨタ自動車の支援により、避難所への物資支援体制が一気に改善された。トヨタ自動車から現場に投入された人材はわずか5人。日頃から工場などで行っている生産活動の効率化の仕組みを取り入れたことで、物資で溢れかえっていた配送拠点が一変した。
2025/02/22
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方