2014/01/22
ニュープロダクツ
さいたま市が152カ所に順次導入
ソニービジネスソリューション
「エネルギー・スマート活用ビジョン」を策定し、2020年までに消費エネルギーの約10%を再生可能エネルギーで支える社会を目指すさいたま市。リーディング事業として市内152カ所の小・中・高校に導入されるのがソニービジネスソリューション株式会社の蓄電システムだ。発電部には高出力・高効率250Wの太陽光パネルを84枚採用し、蓄電池部にはソニーが独自に開発したオリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載した双方向蓄電システム「ESSP-7015」を採用。太陽光発電部と蓄電池部は共に系統電力と連系し効率的なマネジメントを行う。
「安全性を重視する。それがソニーのポリシーです」と話すのは同社営業・マーケティング部門の中川浄氏だ。ESSP-7000シリーズに搭載しているソニー独自のリン酸鉄リチウムイオン電池は、高い安全性を持ち、長寿命特性を発揮し、急速充電にも対応する。その長所はすべて、リチウムイオン電池正極に採用したリン酸鉄リチウムの安定したオリビン構造に由来する。
人が集まり避難所にも指定されている学校で求められるのは安全なシステムだ。酸素とリンが強固に結合しているオリビン構造のリチウムイオン電池では、二次災害に結びつく不安定な化学変化が起きにくい。そのため、災害による火災、浸水、倒壊、落下でダメージをうけた蓄電池が起こしうる熱暴走、発火、破裂のリスクをオリビン構造が低下させる。このリチウムイオン電池は安全性が認められ東京消防庁にも採用されている。
充放電を繰り返すと低下するサイクル寿命への影響が非常に少ないのも、分子構造が崩れにくいオリビン構造のおかげだ。一般的なリチウムイオン電池に比べ3~4倍の充放電回数にあたる10000サイクル、期待寿命で15年の利用が可能。性能を急激に劣化させる100%の充放電を繰り返しても影響は極めて限定的。ランニングコストは最小化される。
新たに設計されたエネルギーマネジメントシステムでは、停電すると、蓄電池からパワーコンディショナーに電力を供給することでパワーコンディショナーは蓄電池に対して擬似的に系統連系を開始するので、パワーコンディショナーの自立出力を使用する必要がなく、自動で停電モードに移行し、防災用照明や非常用コンセントは速やかに利用できる。さらに、このシステムでは平時の運用が効率化されている。平時に通常使用の照明やコンセントに電力を送る電源は、系統電力に加え、太陽光パネルとリチウムイオン電池を合わせた3種類が可能になっている。また、リチウムイオン電池からの供給量を柔軟に変更できるようになったおかげで、夜間電力を利用した蓄電池によるピークシフトやピークカットに限らず、気象や使用電力量の変化に合わせて3種類の電源とその供給量を適切に調節し、「本当に必要な電力のみ」を系統から購入できるようになった。「このソニー独自のマネジメントシステムも評価をいただいたポイントです」と中川氏は語る。もちろん、太陽光パネルによる売電も十分期待できる。太陽光パネル付近にパワーコンディショナーを設置し、高圧直流配線の距離を短縮することで安全性をより高めている。
さいたま市に導入される太陽光パネルは21kW、リチウムイオン電池の容量は15.6kWh。蓄電システムESSP7000シリーズは、この15.6kWh以外にも23.5kWh、31.3kWhのラインアップを持つ。入出力電圧は高圧受電契約のない施設でも系統連系できる単相3線AC200V。システムを並列利用することでさらなる大容量化にも対応する。
【お問合せ先】
ソニービジネスソリューション
営業 マーケティング部門 エナジー事業室
☎ 03-6748-3016
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