FlexからHTML5への自動変換例(画像提供:スタイルズ)

アニメーションや音など動きのあるウェブサイトを作成するためアドビ社が開発したプラグインソフト「フラッシュプレーヤー」が2020年末でメーカーサポートを終了する。このソフトを利用した業務システムなど開発基盤「Flex(フレックス)」から現在主流の「HTML5」への移行が求められている中、スタイルズは「Flex」から「HTML5」にシステムを自動変換するツールを開発。15日から提供を開始した。変換率は最大80%で、業務システム全体をすべて手動で変換するのと比べ、約3分の1のコストで移行を実現できるという。

フラッシュプレーヤーを使った開発基盤のひとつ「Flex」は2004年に発表され、2005~10年まで業務システムの開発などにさかんに利用されてきた。しかしアップル社のiOSがフラッシュへの対応を行わなかったこともあり、利用が減り、サポート終了となった。スタイルズによれば、現在でも大企業を中心に約1000社に約3500システムが稼働している可能性があるという。

2017年7月にアドビ社が2020年末に「Flex」を含むフラッシュプレーヤーのサポートを終了すると発表。これを受けて、Microsoft IE、Microsoft Edge、Google Chrome 、Mozilla Firefoxの主要ブラウザベンダーも2020年末以降は、最新ブラウザでフラッシュの機能を段階的に削除すると公表している。このため既存の業務システムを使い続けるにはブラウザのバージョンアップができくなるなど問題が発生することから、企業は業務システムを組み直すかシステムを移行するかの対策が必要となっている。

スタイルズは2017年11月からシステム基盤をFlexからHTML5へ手動で移行するサービスを開始していた。さらに同社は約6か月の開発期間をかけ、このほどFlexのシステムをHTML5とAngularによるシステムに自動変換するツールを開発した。

現時点で自動変換が可能なのは、Flex 3系、Flex 4系のバージョンで、MXML・ActionScript・標準コンポーネントといった比較的共通性のある部分。自動変換率は最大80%。自動変換が不可能な部分は手動で対応する。ソースコードレベルで変換作業するので、古いシステムのため設計書も当時の担当者がいなくても、設計書は不要。システム全体の移行を迅速に完了できる。

システム全体をすべて手動で変換する際は、新たにシステムを再構築するのと同程度の費用がかかっていたが、この自動変換ツールを活用することで、手動変換の約3分の1のコストでシステム移行を実現できるという。

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(了)

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