2018/05/25
巧妙化するサイバー攻撃に備えよう!
アニメーションや音など動きのあるウェブサイトを作成するためアドビ社が開発したプラグインソフト「フラッシュプレーヤー」が2020年末でメーカーサポートを終了する。このソフトを利用した業務システムなど開発基盤「Flex(フレックス)」から現在主流の「HTML5」への移行が求められている中、スタイルズは「Flex」から「HTML5」にシステムを自動変換するツールを開発。15日から提供を開始した。変換率は最大80%で、業務システム全体をすべて手動で変換するのと比べ、約3分の1のコストで移行を実現できるという。
フラッシュプレーヤーを使った開発基盤のひとつ「Flex」は2004年に発表され、2005~10年まで業務システムの開発などにさかんに利用されてきた。しかしアップル社のiOSがフラッシュへの対応を行わなかったこともあり、利用が減り、サポート終了となった。スタイルズによれば、現在でも大企業を中心に約1000社に約3500システムが稼働している可能性があるという。
2017年7月にアドビ社が2020年末に「Flex」を含むフラッシュプレーヤーのサポートを終了すると発表。これを受けて、Microsoft IE、Microsoft Edge、Google Chrome 、Mozilla Firefoxの主要ブラウザベンダーも2020年末以降は、最新ブラウザでフラッシュの機能を段階的に削除すると公表している。このため既存の業務システムを使い続けるにはブラウザのバージョンアップができくなるなど問題が発生することから、企業は業務システムを組み直すかシステムを移行するかの対策が必要となっている。
スタイルズは2017年11月からシステム基盤をFlexからHTML5へ手動で移行するサービスを開始していた。さらに同社は約6か月の開発期間をかけ、このほどFlexのシステムをHTML5とAngularによるシステムに自動変換するツールを開発した。
現時点で自動変換が可能なのは、Flex 3系、Flex 4系のバージョンで、MXML・ActionScript・標準コンポーネントといった比較的共通性のある部分。自動変換率は最大80%。自動変換が不可能な部分は手動で対応する。ソースコードレベルで変換作業するので、古いシステムのため設計書も当時の担当者がいなくても、設計書は不要。システム全体の移行を迅速に完了できる。
システム全体をすべて手動で変換する際は、新たにシステムを再構築するのと同程度の費用がかかっていたが、この自動変換ツールを活用することで、手動変換の約3分の1のコストでシステム移行を実現できるという。
■ニュースリリースはこちら
https://www.stylez.co.jp/news/news_20180515/
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com :峰田 慎二
巧妙化するサイバー攻撃に備えよう!の他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方