支援実施までのフロー(平成29年度BCP関連の専門家等派遣事業手引書より)

中小企業庁は、中小企業や小規模事業者の災害対応力を強化するため、BCPの専門家派遣制度を開始した。中小企業や小規模事業者らがBCPの策定や平時に行うべき活動、緊急時における事業継続のための取り組みを実施する場合に、専門家から3回まで無料でアドバイスが受けられる。29年度の補正予算を活用した事業で、予算額は7億円。事務局は人材派遣大手の株式会社パソナが担当する。

派遣制度のスキームは、BCPに関する支援が必要な中小・小規模事業者が商工会議所や金融機関などの支援機関に相談すると、支援機関が必要に応じて専門家を選定し、派遣するとういもの。専門家は、中小企業庁が運営する「中小企業・小規模事業者の未来をサポートするサイト」(ミラサポ:https://www.mirasapo.jp/)にBCPの専門家として支援機関からの推薦を受けて登録されている人材が対象で、登録者は現状約800人。2018年度内に7000社への支援を目指す。

一方、支援機関は中小・小規模事業者からBCPに関する相談があった場合に、派遣の必要性があるかどうかを判断。必要性があると判断した場合は、ミラサポから専門家を検索して日程や支援内容を調整する。

具体的な支援内容としては、BCPの策定に加え、サプライチェーンや業務体制の見直し、資金調達計画の立案、重要商品の検討など想定する。基本的には現地に出向いて支援を行うことになる。

専門家には、交通費に加え、1時間あたり5150円(税込)、日額最大3万900円(同)が支払われる予定(29年度BCP関連の専門家等派遣事業手引書より)。

短期間で多くの中小・小規模事業者への支援が期待できる一方で、いかに申し込みを募るか、専門家の支援方法をどう統一させるかなどについては今後の課題となりそうだ。

(了)

リスク対策.com:中澤 幸介