2018/01/19
防災・危機管理ニュース

システムソリューションを手掛ける理経は18日、大規模災害時に被災現場の把握を効率的に行うため、長時間飛行が可能な有線ドローンを活用した防災救助システムの公開実証実験を行った。
これまで高所から被災地の状況を把握するためには、これまで鉄塔やヘリコプターに頼るほかなかったが、最近注目されているのがドローン。だが現在主流の無線ドローンは、飛行時間が短く、強風に弱い、操縦に高度な技術が必要、有視界飛行では夜間対応が難しいといった制約がある。これに対し有線ドローンは、有線給電で約200時間(約8日間)連続飛行が可能。風にも強く、ボタン一つで飛行開始でき、垂直移動を設定するのみと操縦が簡単で夜間飛行もできる、など被災地での現地把握に適する強みを持つ。製品輸入元の米国の規制で122mとしているが、物理的には最高高度約150mは可能という。
工学院大学犬目キャンパス(東京都八王子市)で行われた実験では、定点観測向け産業用ドローン「PARC」(モトローラ・ソリューションズ)を使い、上空のライブ映像をモニターで確認したほか、独自のFWA(固定無線アクセス)通信網とGIS(地理情報)システムを組み合わせて、ブラウザに表示した地図上に災害状況を集約表示。大規模災害時に、遠隔にある災害対策本部や現場の救助隊メンバー間の情報共有、被災住民への避難指示などの活用を想定した動作確認を行った。
場所を移動して長時間空撮できる強みを生かし、将来的には、火山観測、津波観測、大気中の放射線モニタリングなども各自治体で運用を目指す。
■ニュースリリースはこちら
https://www.rikei.co.jp/news/2017-31/
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方