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2019年から防災情報や気象情報などのレベル化が開始され、運用開始から1年以上が経過しています。レベル化を図ることで情報体系の複雑さを解消し、避難行動にもっと役立ててもらおうという意図で導入されました。しかし、漢字が多く使われた情報名が並んでいたり、似たような情報の名称が並んでいたりして、まだまだ分かりづらさを感じられてはいないでしょうか?

写真を拡大 図1. 警戒レベルと各種情報の位置付け(出典:気象庁のホームページより)https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html

かく言う私もその一人でした。例えば指定河川洪水予報に関する「氾濫危険情報」と「氾濫警戒情報」について、どちらの方がより切迫した状況を示しているのか都度確認していた時期もあります。しかし、ある時から逆転の発想とでも言える方法を試すようになり、情報名とそれが指し示す状況がすんなりと結びつくようになりました。

その方法とは、情報名やその意味を覚えることを後に回し、自分の言葉で災害の被害に遭うまでのプロセス(過程)を考えておくことです。その上で、「災害に至る過程を示す手がかりはどう情報に現れるだろうか?」と警戒レベルの情報などを見ていきました。このひと手間をかけたことで、「どの情報を見るべきか」という頭の中の整理は格段に進みました。

今回の記事では、大雨警戒レベルの実践的な覚え方の例として、河川の洪水と土砂災害に関することを取り上げます。それぞれの災害が発生するに至る過程を書き出し、さらに情報を当てはめていくという方法についてご紹介していきたいと思います。