改正「労働者災害補償保険法」が9月1日から施行される。事業主が異なる複数の事業場で働いている労働者の場合、これまでは労働災害が発生した事業場のみの業務上の負荷(労働時間やストレス等)を評価して、労災認定を判断していたが、9月1日以降、全ての就業先の賃金額を合算した額を基礎に保険給付額が決定される。

対象となるのは、複数の事業場と労働契約関係にある労働者、または1つの会社と労働契約関係にあり他の就業について特別加入している労働者、複数の就業について特別加入をしている労働者等。施行日以後に発生した傷病等が制度改正の対象で、8月31日以前に発生した傷病等は改正前の制度で労災保険給付が行われる。

 (画像は厚労省パンフレットから)


施行後は例えば、A社(月20万円)とB社(月15万円)で働いていた人が、B社の業務中に労働災害に遭った場合、これまではB社の賃金15万円を基礎に給付額が算定されていたが、これからはA社とB社の賃金を合算した35万円を基に算定される。

また、1つの事業場で労災認定できない場合でも、複数の事業場の業務上の負荷(労働時間やストレス等)を「総合的に評価して労災認定できる場合」は保険給付が受けられる(複数業務要因災害)。