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この先の天気予報で雨マークが付いていたとします。その雨が災害をもたらすような雨なのか、それとも普段と同じような雨なのか、さてどうやって判別をしたらよいでしょうか? そういったときの判断根拠の一つとなるのが、気象庁が発表する「気象情報」という情報です。「気象情報」は、先手を打って防災対応を行う際に役立つ情報ですので、今回はこの情報の使い方を詳しくご紹介します。

気象庁の「気象情報」とは何か?

気象庁の「気象情報」は、「明日の天気はうんぬん」という情報ではなく、次の二つの目的に沿って発表される情報の名称です。目的の一つは、警報や注意報に先立って注意を呼びかけるため、もう一つは警報や注意報の内容を補足するためです。すなわち、何か特別な事象が発生し得るかもしれない状況に先駆けて、もしくは、より詳しく状況を解説するために発出される情報が「気象情報」であると言えます。

あまり知名度がない情報かもしれないので、実際に発表された例を見てみましょう。下の例は令和2年5月15日に発表された全国レベルの「気象情報」です。

写真を拡大 図1. 全般気象情報の例(出典:気象庁ホームページ)

文章をご覧いただくと分かるように、「気象情報」の中では、この先の気象条件や防災上の注意事項、予測される雨量などが伝えられます。この例の場合、「大雨と雷および突風」により「土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫」の可能性が九州北部や九州南部で高まっていくという趣旨です。このような「気象情報」を確認すれば、私たちは「いつもの雨とは違う」と容易に判断することができます。

ところで例として挙げた「気象情報」のタイトルには、「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第1号」という名称が付けられていました。「第1号」という名称が示唆するように、「気象情報」は必要に応じて何度も追加発表されていきます。第1号など若い数字のタイミングは、警報や注意報に先立って注意を呼びかける場合に多く、発表を重ねるごとに警報や注意報の内容を補足する情報となっていくのが一般的です。