アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
1月17日は阪神・淡路大震災から22年目。特集番組をご覧になって、あらためて地震の際の火災の怖さを実感された方も多いのではないでしょうか?
阪神・淡路大震災では、電気火災や通電火災が話題になりました。
それまで「地震だ。火を消せ」とずっと言われていましたよね。1923年の関東大震災では、発生時間が11時58分時でした。ちょうど昼食時間。そのままになったかまどの火で火事が多数発生したことから、ことさら「火を消せ」が強調されるようになりました。
でも最近は、「地震だ。まず身の安全を」に変わりました。揺れている最中は何もできないという知見がやっと広がってきたからです。これについて神戸市のHPでは、大きな揺れを体験した都市だけあって、とても具体的に書かれています。
“地震が発生した時にまず行うべきことは、火災を食い止めることではありません。まずは、自らのいのちを最優先に考えた行動をとることです。例え火災が発生しようとも、自らを危険にさらしてまで、火災を防ぐ行動をとる必要はありません。
大きな揺れの際(主要動時)の消火や火を始末しようとする行動は、火傷を負うことや、もっと深刻な事態を引き起こすことにも繋がりかねません。目前に火があり、消火器などの有効な手段によって簡単に消火が可能な場合に限り、小さい揺れのうち(初期微動時)に火の始末をするようにしてください。
また、都市ガスやLPガスには、現在は震度5弱以上の揺れでガスを遮断する装置が必ず設置されていますので、心配する必要はありません“
(神戸市HPより引用)
http://www.city.kobe.lg.jp/safety/fire/information/anzen/201105.html
それなのに今でも、地震の際にはコンロの火の消し忘れが主要な火事原因と信じている方は少なからずいらっしゃいます。もちろんリスク対策.comの読者の方はそんなことないでしょうけど、ご家族とかお知り合いに、念のため、以下のことを確認してみてくださいね!
阪神・淡路大震災も東日本大震災も、火災の原因がわかっているものの6割以上が「電気火災」です。
元データは内閣府にあります。
■大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会関連の情報
(内閣府「防災情報のページ」)
http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/
電気火災というのは、火災のうち電気に関連するもので発生したもので、ガスや油など他の原因のものは含めません。
地震の時に、電気ストーブや照明器具に紙類や家具などの可燃物が接触して起こった火事や、地震で動いて伸ばされてしまったコードが断線して発火したなど多数のケースがあります。
また、電気火災の中に通電火災というものも含まれています。
通電火災とは、大地震などで停まった電気が復旧し、通電が再開される際に発生する火災です。
電気を復旧したあと、観賞魚用のヒーターが発火したケースや、傷んだ配線からの出火がありました。
では、どのような対策をとればいいのでしょうか?
地震による火災は家の倒壊や家具の転倒で起きているので、防災・減災の「基本のキ」、建物の耐震化と家具の固定はここでも重要になります。
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