【基本的な使い方】

①パソコン又はタブレットのブラウザに、以下のいずれかのURLを入力し、D-SUMMのサイトを開く。

http://disaana.jp/d-summ/
(今現在のツイートを要約するリアルタイム版。要約の対象となるツイートは利用する日の3日前から利用日までの最長4日間から選択可能)

http://disaana.jp/d-summ-km/
(熊本地震の際のツイートを要約する熊本地震試用版。要約の対象となるツイートは2016年4月14日から4月21日までの8日間から選択可能)

②Twitter上の被災情報について要約の対象としたい自治体(都道府県又は市区町村)をメニューから選択する。

③要約の対象としたいツイートの発信時間帯を指定する。

④「エリア毎に要約」「カテゴリー毎に要約」「地図表示」のいずれかのボタンをクリックして、被災状況の要約を表示する。

 

「エリア毎に要約」のボタンを押した場合

図4は、エリア毎に要約した場合の表示例。この表示は、熊本地震試用版のサイトを開いて「熊本県」をまず選択し、熊本地震の本震から12時間後までに(4月16日1:30から13:30まで)発信されたツイートを対象として要約した場合。D-SUMMのサイトを開いて最初に指定した自治体が都道府県の場合は、その都道府県下の市区町村毎に被災状況を要約して表示する。図2の場合は、最初に「熊本県」を指定しているので、熊本県下の自治体、つまり熊本市、阿蘇市、南阿蘇村等の市町村毎に被災状況を要約している。

最初に指定した自治体が市区町村の場合は、その中にある地域毎(字、集落毎)に被災状況を要約する。

自治体、字、集落等は、重要な被災報告が多い方から順に並べて表示。図4の場合は、熊本県全体を最初に指定して要約しているので、重要な被災報告の多い、熊本市、阿蘇市、南阿蘇村、益城町が順に並ぶ。各エリアの要約としては、被災報告のカテゴリー毎(災害、ライフライン、救助、建物等)に被災報告が整理されて表示される。こうした表示法により、どのエリアの被害が相対的に深刻であるか、どのエリアで、どのような被災報告が出ているかを短時間で把握することができる。

要約に表示された「建造物が崩落する(38)」のような各項目は、「熊本城の石垣が崩れた」といったツイートからその意味が似通ったものをまとめることで表示される。かっこの中の数字は、その項目の情報源となったツイートの数を表している。更に例を挙げると、「治療・予防・サービスが危うい」といった項目は、「人工透析ができない」「消毒ができない」といったツイートが基になって表示される。各項目をクリックすると、図5に示すように、その情報の基となったツイートを表示したり、それに関係する質問を、NICTが公開している災害に関する質問応答システムであるDISAANAに問い合わせて、更に情報を取得することができる。DISAANAは、D-SUMMよりも確度の低い情報も発見するように設計されていて、D-SUMMが発見していない情報をDISAANAでは発見できる可能性がある。

D-SUMMで要約された項目には、図6の左側の「水を貰わない」の場合のように、「対策」の「対」の字をマルで囲ったマークが付いていることがあるが、報告された被災情報「水を貰わない」に対して、事態が沈静化した、もしくはその事態に対して対策が取られたことを報告するツイートが存在する可能性を示す。例えば、図6の右側は、左側の「水を貰わない」をクリックして表示したツイートだが、上半分が「熊本の友達が水が買えないと言っている」と被災状況の報告であるのに対して、下半分があるスーパーで水が無料配布されていること、つまり、水がない、という事態に対する対策が講じられていることを報告している。こうした対策に関する報告をチェックすることで、救援活動のフォーカスを決定したり、あるいは被災者側からすれば、避難生活で有用な情報を取得することが可能になる。同様に、「矛盾」の「矛」をマルで囲ったマークが付いた被災報告もあるが、これは、被災報告と矛盾している報告がツイートされている可能性を示していて、この報告をクリックすることで、矛盾している可能性のあるオリジナルのツイートを見ることができる。仮に、矛盾した報告がツイートされていれば、元々の情報がデマである可能性がわかるので、情報の信憑性を判断する際に利用できる。

D-SUMMで用いている各種の日本語解析技術は必ずしも完全ではない。実際に避難や救援活動で利用する場合は、元のツイートまで表示して、D-SUMMの解析が正しいかどうかを判断の上、利用する。