昆正和の「これでいいのか!本当に必要なのは命と会社を守るBCP」
第5回:緊急行動の成否を分ける「ERP」
緊急対応プラン(ERP)作成のススメ
BCP策定/気候リスク管理アドバイザー、 文筆家
昆 正和
昆 正和
企業のBCP策定/気候リスク対応と対策に関するアドバイス、講演・執筆活動に従事。日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『リーダーのためのレジリエンス11の鉄則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身 (ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。趣味は登山と読書。・[筆者のnote] https://note.com/b76rmxiicg/・[連絡先] https://ssl.form-mailer.jp/fms/a74afc5f726983 (フォームメーラー)
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■緊急対応プラン(ERP)って何だろう?
世の中あまりに便利になりすぎて、私たちは「予期せぬ事態」に対する免疫がなくなっているのでは、と思うときがあります。何かの危機が起こっても、漠然とどこかの誰かが自分(たち)を助けてくれる、サポートしてくれると思い込んでいるのです。
例えば私たちの手元には、いつでもどこでも人とつながることのできる携帯やスマホがある。何かあれば、救急車でも病院でも、警察、消防、故障修理サービス、損害保険の査定、すべて電話一本で解決できそうな気がするではありませんか。しかし、安心・安全な社会のシステムが守ってくれるのはここまででしょう。
その先にある予期せぬ事態が目の前で起これば、もはや人に頼ることはできません。自分たちで乗り越える以外にない。しかし何も準備も心得もなければ、何をどうしてよいか分からず、パニックに陥るしかない。うろたえているうちに手遅れとなって、余計に損害や悪影響が広がってしまうでしょう。
私たち一人ひとりの手に負えないような事態が発生したときに備え、前もって何らかの段取りを決めておくことが必要な理由はここにあります。ここで述べる「緊急対応プラン」(Emergency Response Plan、略してERP)がまさにそれ。ERPは災害の種類に応じて作る緊急時の行動手順書で、危機のクライマックスを乗り越え、速やかに次のステップ(復旧活動や業務の正常化)に移行するためのプランです。
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