様々な角度から情報を収集

白馬村観光局としてこの地震でとった対応はシンプルで、情報を収集してそれを正確に発信しようと心がけました。被害に遭われた方の対応などは行政が100%担っているので白馬村観光局という観光に特化した組織は、冬を目前に控えた時期に地震が起きたので、この状況下でも一人でも多くの人に白馬に来てもらえるよう力を尽くしました。

まず情報収集について話します。先ほど説明大きな被害が出た白馬村堀之内地区 した人的被害や建物の被害の他にも道路や電車など交通機関の被害、観光施設のスキー場、宿、飲食店、お土産物屋などの施設がどういう状況なのか、また実際に携わっている人たちがどういう状況なのかコミュニケーションを取りながらいろいろな情報を収集しました。

外部の情報にも注視していました。横浜にある私の実家に毎日のように電話をかけてニュースでどう取り上げられているのか確認していましたし、妻は名古屋近くの出身なので、妻の実家にも流れている情報を電話で確認していました。集めた情報を観光局で交換しながらずっと情報収集を進めていました。

そうしてる間に、インターネット上の情報で間違いを発見しました。Yahoo!のトップページに「JR大糸線運休」と表示されていました。大糸線は松本から糸魚川までの線で、実際の運休区間は白馬より先の一部分だけでしたが、けれどもYahoo!の表示だと全線不通だと思われると考え、Yahoo!に連絡して相談をしました。一例ですが、このように職員がいろんなところで様々な情報を集めていました。

3日以内の情報発信が重要

続いて情報発信について話します。情報発信の初期段階で重要なのは「スピード」「受け取り手の感情」「伝えたいイメージ」のバランスだと思います。

地震があったのは11月22日の夜。観光局として初めての情報発信は、地震3日後の25日にFacebookで「たくさんの温かい応援ありがとうございます。皆さんの応援は力となり、最高のリゾートを創り出すでしょう。ウィンターシーズンももうすぐです。さあ準備を始めましょう」とプラスなイメージで出しました。

実は25日にホームページの担当が気づいたのですが、観光局ホームページのアクセス数が、地震の翌日に多いときの3倍くらい、翌日にはガクンと減りましたがそれでも2倍以上の方がアクセスしてくれていました。担当者は「明日には、(通常レベルに)戻ってしまうのではないか」と考えて急いでプラスのイメージの情報を発信したのです。

ホームページを見る方は情報を取りに来てくれた方です。ということは私たちにとって一番正確な情報を伝えたいお客さまです。その方々がこんなにアクセスしてくれるのだから、どうにかプラスの情報を与えたいと。

可能ならば3日以内にある程度の情報を発信するといいと思います。スキー場のホームページも、3日間くらいはアクセス数が増えて、そこからは平常に戻ったそうです。