2016/08/28
スーパー豪雨にどう備える?
2013年11月、フィリピンを襲った台風30号、通称スーパー台風「ハイエン(Haiyan)」。米軍合同台風警報センターは風速87m、最大瞬間風速105mを記録したと発表し、「観測史上最強の台風」と称された。
フィリピン政府の公式発表によると、2014年1月までの集計で死者6201人、負傷者2万8626人、行方不明者1785人、被災者数は1600万人以上、家屋倒壊・被害114万棟以上、被害総額は366億ペソ(約854億円)以上に達した。
スーパー台風の襲来は決して「遠くの南の島の出来事」ではない。名古屋大や気象庁気象研究所などの研究グループが2009年に発表した報告によると、2074年~2087年には日本の南の西太平洋で海面水温が2度程度高くなり、風速67m以上の「スーパー台風」が複数回発生する恐れがある。最大のものは中心気圧が866ヘクトパスカル、地上の最大風速は80mに達するという。
編集部注:「リスク対策.com」本誌2014年9月25日号(Vol.45)掲載の連載を、Web記事として再掲したものです。(2016年8月28日)
スーパー台風とは、米軍合同台風警報センターが台風の強さの分類に利用している「Super Typhoon」という表現の直訳だ。これは中心付近の最大風速が130ノット(=67m)を越えるような非常に強い台風を指す言葉で、単純に日本基準に当てはめると、最大風速60m以上の台風に相当することになる。
また、台風の大きさは通常、風速15m以上の地域が、半径500km~800kmのものを大型、800km以上を超大型台風と呼ぶが、スーパー台風の場合はそれより小さい400km程度の場合が多いようだ。
スーパー豪雨にどう備える?の他の記事
おすすめ記事
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。今回、石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年「いま」に寄り添う <西宮市>
西宮震災記念碑公園では、犠牲者追悼之碑を前に手を合わせる人たちが続いていた。ときおり吹き付ける風と小雨の合間に青空が顔をのぞかせる寒空であっても、名前の刻まれた銘板を訪ねる人は、途切れることはなかった。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年語り継ぐ あの日
阪神・淡路大震災で、神戸市に次ぐ甚大な被害が発生した西宮市。1146人が亡くなり、6386人が負傷。6万棟以上の家屋が倒壊した。現在、兵庫県消防設備保守協会で事務局次長を務める長畑武司氏は、西宮市消防局に務め北夙川消防分署で小隊長として消火活動や救助活動に奔走したひとり。当時の経験と自衛消防組織に求めるものを聞いた。
2025/02/19
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方