二次調査や再調査に備えて、写真を撮っておきましょう

罹災証明書(りさいしょうめいしょ)が発行されると、そこには調査を経て決定された、住宅の被害程度が記載されています。「全壊」(損害割合50%以上)、「大規模半壊」(損害割合40%以上50%未満)、「半壊」(損害割合20%以上40%未満)、「一部損壊」(損害割合20%未満)の段階に分類されることが通常です。

地方自治体の調査が必要なので、実際に罹災証明書が発行されるまでには一定の時間がかかります。過去の大災害では、個別に調査せず、一定エリアを一括で全壊認定にしたり、被災者自身が撮影した写真を利用して迅速に認定をしたりなど、発行までの時間を短縮する取り組みがなされています。

ひとつ注意が必要なのは、大規模被災地では、外観目視だけでとりあえず被害認定する「第一次調査」と、その後被災者からも申し出があった場合に、内観の詳細な調査も行ったうえで被害認定する「第二次調査」にわけて調査が行われるということです。第一次調査の被害認定が外観上の損壊があまり見られず、「半壊」などの認定になっていても、実際はより重度の被害認定となるケースもあります。現状の被害認定に違和感があるような場合には、第二次調査を被災者自らが申請しなければならない場合もありますので、自治体の窓口に問い合わせることが必要です。この流れをぜひ覚えてほしいと思います。

被害認定に納得いかない場合も想定されます。自分としてはもう住むことができないと考えて「全壊」や「大規模半壊」の認定を受けたいと考えていても、調査結果では「半壊」や「一部損壊」となるケースです。住宅の被害認定は、被災者支援の様々な制度において、支援の有無や給付金額に大きく影響しているので、被災者にとっては死活問題にもなりかねません。調査結果に不服があれば、再調査を依頼することもできます。過去の災害でも、再調査の結果、「大規模半壊」や「半壊」と当初言われていた認定が、「全壊」になったという事例が報告されています。このような場合に備え、住宅を撤去・解体してしまったり、修繕や片付けをしてしまったりする前の段階で、当時の状況を記録するため、被災状況の写真を撮影しておくことをお勧めします。

(了)