農林水産省は10日、放出する政府備蓄米の入札を始めた。初回の入札対象は、放出が決まった21万トンのうち15万トン。深刻な不作や大規模災害への対応に限っていた備蓄米の放出を、流通の円滑化を目的に行うのは初めてだ。スーパーなどの店頭に並ぶのは3月下旬以降とみられ、価格高騰に歯止めをかけられるかが焦点となる。
 総務省が発表した2月の東京都区部の小売物価統計調査によると、コシヒカリ(5キロ)は4363円と、前月比4%上昇し過去最高を更新した。昨年夏に店頭で極端な品薄に陥った「令和の米騒動」以降、コメの確実な調達を狙って生産者からの集荷競争が激化していることなどが原因だ。 
〔写真説明〕倉庫内に積み上げられた政府の備蓄米=2月18日、埼玉県内

(ニュース提供元:時事通信社)