農林水産省は19日、1月の2024年産米の相対取引価格(全銘柄平均、玄米60キロ当たり)が2万5927円になったと発表した。前年同月比69%上昇し、5カ月連続で過去最高を更新した。集荷競争が一段と激しさを増しており、価格高騰に歯止めがかからない状態だ。 

 相対取引価格は、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷業者と卸売業者との間の取引価格。代表的指標とされ、農水省が毎月、調査・公表している。24年夏に店頭で極端な品薄が生じた「令和の米騒動」以降、業者間でコメ争奪戦の様相を呈する。先高観から在庫を抱え込む動きも価格を押し上げているとみられている。

 農水省は、JA全農など主要な集荷業者がコメを十分に調達できず、円滑な流通に支障が生じているとして政府備蓄米を21万トン放出することを決めた。流通の目詰まりを解消させ、価格抑制につなげる狙いだ。江藤拓農水相は1月24日、放出方針を表明したが、今回の調査では取引価格への影響はほとんど見られなかった。

 備蓄米は、年間仕入れ量が5000トン以上の大手集荷業者に対し、原則として1年以内に買い戻す条件で売り渡す。初回は15万トンで、入札を経て3月中旬に引き渡す予定。早ければ同月下旬に店頭に並ぶ見込みだ。農水省は流通状況を考慮し、残る6万トンについても入札時期を検討する。(了)

ニュース提供:時事通信 (2025/02/19-19:41)

(ニュース提供元:時事通信社)