-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第58回:BCPを発動した結果に着目したアンケート調査
BCMへの取組状況やBCPを作成したかどうかなどを調査した報告書はこれまで多数見てきたが、BCPを発動した後に関するアンケート調査はあまり多くないように思う。本稿ではそのような調査結果の一例として、BCMを中心とした情報サイト「Continuity Central」(https://www.continuitycentral.com/)が実施したアンケート調査の結果を紹介する。
2018/10/16
-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第56回:生態学における安定性とレジリエンス
本連載ではこれまでに、レジリエンスに関する先行研究などに関する系統的な文献レビューの結果をいくつか紹介したが、これらを含めてレジリエンスの概念に関する多くの論文を読み漁る中で、多くの研究者から頻繁に参照されている論文がいくつかあることに気付いた。今回はその中の一つを紹介したいと思う。
2018/09/19
-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第52回:意外と身近なサイバー攻撃の発生状況とトレンド
BCMの専門家や実務者による非営利団体 BCI(注1)は、2018年6月に「Cyber Resilience Report 2018」(以下、「本報告書」と略記)を発表した。これは BCI 会員を主な対象として実施した、サイバーセキュリティに関するアンケート調査の結果をまとめたものである。サイバーセキュリティに関する調査報告書は今回で3回目(注2)であり、2017 年6月に発表された第2回からは、BCMやITの災害復旧に関するソリューション・プロバイダーであるSungard Availability Services社からの支援を受けている。
2018/07/10
-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第48回:カンタベリー地震からの事業復旧はどのように進んでいるのか
ニュージーランドで活動している研究プログラム「Resilient Organisations」(注1)は、ニュージーランドで 2010 年と2011 年に発生したカンタベリー地震に被災した多数の組織が災害からどのように復旧してきているかを継続的に調査している(注2)。
2018/06/05
-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第47回:インターネットバンキングにおける脆弱性の改善状況
米国に本拠地を置くPositive Technologies社は、情報システムの脆弱性のアセスメントやインシデント分析、アプリケーションやデータの保護など、情報セキュリティに関する様々な製品やサービスを提供している企業である。同社が 2018 年4月に発表した調査報告書「Financial Application Vulnerabilities」の 2018 年版は、銀行業における同社の顧客企業のインターネットバンキングについて脆弱性を調査した結果をまとめたものである。同社はこのような調査を毎年行っているようであり、本稿で紹介する2018年版には、2017年の間に調査された41の取引処理用アプリケーションに関する調査結果がまとめられている。なお調査対象のうち61%がスマートフォン用モバイルバンキング用アプリケーション(注1)で、残り39%がPCによる取引のためのアプリケーションとの事である。
2018/05/08
-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
エネルギー産業におけるサイバー攻撃対策の現状
近年、発電所や送電網など重要なエネルギーを担う社会インフラが、サイバー攻撃の主要なターゲットのひとつとして注目されている。実際に2015年および 2016年には、ウクライナの電力会社のPCが乗っ取られて遠隔操作されて大規模停電が発生しており、既に現実的な脅威となっている(注1)。また2018年3月には、米国のコンピューター緊急事態対応チーム(United States Computer Emergency Readiness Team; US-CERT)から、安全保障省(Department of Homeland Security; DHS)と連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation; FBI)との連名で、エネルギーなどのインフラを標的としたロシア政府のサイバー活動に関する警告が発行された(注2)。
2018/05/02
-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
重要なデータの復旧に確信を持てないのはなぜか
今回は、データ保護に関するソリューションプロバイダーである Arcserve 社(注1)による調査結果を紹介する。同社が発表した「World Backup Day Survey Results」は南北アメリカ、欧州、および日本において、販売代理店や(恐らく顧客側の)意思決定者(注2)600人を対象として調査を行った結果がまとめられたものである。
2018/04/17
-
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
欧州における気象災害の傾向を知る
EU加盟国各国の国立科学アカデミーによって構成されている諮問機関である European Academies' Science Advisory Council(略称 EASAC)は、2018 年 3月に「Extreme weather events in Europe」(欧州における異常気象現象)(以下「本報告書」と略記)という報告書を発表した。これは副題に「気候変動への適応のための準備:EASAC の 2013 年の研究に対するアップデート」と書かれているとおり、2013年11月に同じく EASAC が発表した「Trends in extreme weather events in Europe: implications for national and European Union adaptation strategies」(注1)という報告書に対するアップデートである(注2)。
2018/04/04