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地政学リスクを読み解く
「イスラム国ソマリア州」の国際的攻撃性
トランプ政権が2025年2月1日にソマリアで実施した「イスラム国(IS)」系組織への空爆と、モロッコで摘発されたISサヘル州に関連するテロ未遂事件は、アフリカにおけるISの対外的攻撃性が依然として高いことを示している。これらの事例は、ISがアフリカ大陸で勢力を拡大し、国際社会への脅威を増大させている現実を浮き彫りにする。特にイスラム国ソマリア州は、活動の多国籍化や資金支援の積極性を通じて、アフリカを越えたテロネットワークを構築しており、その対外的攻撃性が顕著である。ここでは、最近の事例を基に、ISソマリア州の活動とその特徴を詳しく見ていく。
2025/03/29
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地政学リスクを読み解く
トランプ関税をめぐる日米関係の行方
トランプ大統領の関税政策が引き起こす混乱の中、2月18日には米国への自動車輸入に対して25%の関税が課される可能性が示された。具体的な国についての言及はなく、全世界を対象とした一律関税の導入が示唆されている。これが実際に導入されることになれば、日本は大きな影響を受けることになる。
2025/03/11
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地政学リスクを読み解く
トランプ政権の台湾政策
帝国データバンクが昨年11月に公表した企業統計によると、2024年7月時点で台湾に進出する日本企業は2988社で、2022年の3124社に比べて4.4%あまり減少した。この減少には、台湾を巡る政治的緊張が影響していると考えられる。
2025/02/28
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貿易秩序の維持を=東大公共政策大学院の鈴木一人教授―G7・インタビュー(上)
2024/06/09
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海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第83回:地政学的リスクの現状と企業における対策状況
これまで本連載でご紹介してきた調査報告書の中には、様々な種類のリスクの高さを各国・地域ごとに比較して示したものがいくつかあった。例えば第71回でご紹介した『FM Global Resilience Index』(注1)では、自然災害リスクやサイバーセキュリティ、汚職対策の状況、社会インフラの整備状況などを含む12の観点からリスクを評価した結果を各国ごとに表示するようになっているが、これらの様々なリスクのうち、各国の政治や経済、治安の状況などに関連するリスクを総称して「地政学的リスク」(geopolitical risk)という。
2019/12/17
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地政学リスクの多様化と2018年の展望
地政学は古くからある学問であり、特に19世紀から20世紀初頭においては、盛んであった。例えば、英国の地政学の祖とされるハルフォード・マッキンダー(1861~1947)は人類の歴史を海の力(Sea Power)と陸の力(Land Power )とのせめぎあいの歴史とし、英国とモンゴル帝国をその例に挙げている。つまり、陸上での馬、徒歩等による移動と海上の船での輸送の二元的な比較を基にしている。また、ユーラシア大陸を制するにはHeart Landとされる東欧を制することであると説き、このことがナチスドイツによる第二次世界大戦の勃発につながったとされている。
2018/01/09