疑問解消!フリーランス新法
考えられるビジネスリスクとトラブル回避策

リスクトレンド研究会 11月29日

東京弘和法律事務所 弁護士・公認不正検査士 山村弘一氏

リスクトレンド研究会を11月29日に開催

企業はフリーランス新法に適合した契約実務に

リスクトレンド研究会は11 月29日、オンラインで開催。11月1日に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、いわゆる「フリーランス新法」について、東京弘和法律事務所弁護士で公認不正検査士の山村弘一氏が、同法のポイントや企業が行うべき対策を解説した。

山村氏は同法の目的・構成について、大きく➊特定受託事業者に係る取引の適正化➋特定受託業務従事者の就業環境の整備の二つがあることに言及。このうち「特定受託事業者に係る取引の適正化」は独占禁止法・下請法のような性格を持ち「これまで両法で保護されなかった、あるいは保護の実効性が乏しかった領域をカバーするもの」と話した。

また「特定受託業務従事者の就業環境の整備」については、労働基準法をはじめとする労働関係法のような性格を持つと説明。その際、フリーランスと企業との契約関係が労働・雇用契約にあたるのか、業務委託契約にあたるのかで適用される法令が変わってくるとし「契約相手のフリーランスが労働基準法上の『労働者』に該当する場合は同法を遵守する必要がある点に留意が必要であり、その該当性については実質的に判断される」とした。

山村氏は、企業を含む「業務委託事業者」に課せられる取引条件の明示(3条通知)について、ポイントと留意点を解説。そのうえで「5 条(遵守事項)違反の判断と関係してくる部分があることなどもあり、とりわけ3条通知の重要性の認識が必要」と述べた。

また、同法に対応する際は行政から示されているガイドライン等を参照することが不可欠としつつ「ただし、短期間でそれらを詳細に理解・習得するのは難しい」と指摘。「そのためザッと全体に目を通しておき、事案に直面したとき『ひっかかり』を感じられるようにしておくことが大切」とした。