【カイロ時事】レバノンの南部や首都ベイルート近郊で17日、イスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーらが連絡手段として使用しているポケットベル型の携帯通信機器が相次いで爆発し、保健省によると8歳の女児を含む少なくとも9人が死亡、約2800人が負傷した。レバノン政府は「サイバー攻撃だ」と主張。機器に仕込まれた爆発物が遠隔操作で起爆した可能性も指摘されている。
 親イランのヒズボラは、敵対するイスラエルの犯行だと断定。「敵は正当な罰を受ける」と報復を示唆しており、イスラエルとの全面的な衝突に発展する恐れがある。イスラエル側は爆発への関与を明らかにしていないが、米ネットメディア「アクシオス」は情報筋の話として、ネタニヤフ首相が「作戦」を承認したと報じた。
 ロイター通信によると、爆発は午後3時45分(日本時間同9時45分)ごろから約1時間にわたり各地で続いた。ヒズボラの構成員らが死亡した他、レバノン駐在のイラン大使が軽傷を負った。ヒズボラの指導者ナスララ師は無事だった。隣国のシリアでも、首都ダマスカスなどで同様の爆発があり、14人が負傷した。 
〔写真説明〕17日、ベイルートで、爆発を受け、病院の入り口に集まる救急車と人々(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)