【シドニー時事】オーストラリアで26日、勤務時間外に職場からの連絡を無視することを労働者の権利と認める新たな法律が施行された。サービス残業をなくし、ワーク・ライフ・バランスを保つのが狙いで、今年2月に議会で成立していた。悪質な違反をした企業には最高9万3900豪ドル(約920万円)の罰金が科される。
 従業員15人以上の企業は26日から、15人未満の小規模企業では1年後から適用される。非常事態への対応や急な欠員補充など合理性のある場合を除き、労働者は退勤後や休日に仕事の連絡を無視しても責任を問われなくなる。
 不合理な連絡が繰り返された場合、監督機関の公正労働委員会が中止を命じ、従わない企業や上司には罰金を科すと定めている。個人の罰金上限は1万8780豪ドル(約180万円)。
 ワット雇用相は「労働者を時間外に無給で働かせてはならないことは議論の余地がない」と順守を訴えた。一方、経営者団体「豪産業グループ」は「職場に対立と混乱をもたらし、経済にブレーキをかける」と懸念を示している。 
〔写真説明〕オーストラリア国旗(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)