内部通報によって配置転換され、仕事を与えられずにうつ病を発症したとして、大塚食品(大阪市)の従業員の男性が13日、同社を相手取り、220万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。
 訴状によると、男性は同社滋賀工場(滋賀県湖南市)で製品の品質管理を担当していた2022年6月、工場内で食品包装に使用してはいけない袋が使われていたことが発覚したのに製品の回収などをしなかったとして、滋賀県に通報。県は行政指導したが、男性は工場内で問題の隠蔽(いんぺい)があったとして23年3月に親会社の大塚ホールディングスなどに内部通報した。
 男性はその後、業務経験のない部署に配置転換されたが、ほとんど仕事を与えられず、別の部屋に移動しようとすると上司から通報される「軟禁状態」での勤務を強いられたという。医師から「うつ病」の診断を受けて仕事を休んだが、復帰後も就業環境は変わらなかった。
 提訴後に記者会見した男性は「会社は公益通報者保護法を守り、真摯(しんし)に向き合ってほしい」と訴えた。男性の代理人弁護士は「(会社側の)配置転換命令に合理性は認め難い」と話した。
 大塚食品の話 訴状を入手しておらず、内容が確認できていない。 
〔写真説明〕大津地裁=大津市

(ニュース提供元:時事通信社)