【大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故など不測の事態が発生しても、重要な業務を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことを業務継続計画(Business Continuity Plan)=BCPと呼ぶ】――多くのBCPを説明するガイドにはこのような内容が書かれています。なにやら難しくてスルーしている保育関係者が多いのではないかと思います。今回は保育BCP初心者の方向けに発信いたします。
あなたの園は大丈夫?
地震で園舎が壊れてしまいました。皆さんならどうやって保育を続けますか?それぞれの勤務先の園で想像してみてください。
①どこか別の場所を探す
②壊れた建物を補修して続ける
③被災していない保育園を借りる
④その他
いかがでしょうか。園の立地リスクや環境がそれぞれ異なるため正解はありません。ただ共通しているのは、どの方法にせよ発災後に初めて行動を起こしたんでは「遅い!」ということです。
保育の重要業務(=子どもを預かること)を中断しても、可能な限り短い時間に業務を開始することができるように平常時に方針、体制、手順等を示した計画を準備しておくことがBCPの基本です。
保育所等のBCP(業務継続計画)はなぜ必要?
令和6年4月より、介護施設や、障害者福祉事業所のBCP策定義務化に伴い、近々、保育所においても義務化の方向?と囁かれています。ただ、義務化する・しない関係なく、BCP策定は保育施設でも絶対に必要です。なぜなら、保育施設が不測の事態のたびに閉鎖してしまったら、預けて働いている保護者の多くが仕事を休まなければなりません。保育所等を利用してる児童数は274万人(令和3年度 厚生労働省)、多くの保護者の社会活動が中断され、社会全体に大きな損失が生じることは容易に想像がつきます。
だからこそ、保育士の仕事は保護者や子どものためだけでなく、日本全体の経済を支えている「なくてはならない仕事」だといえます。保育施設の事業継続は社会的な期待も大きいといえるのではないでしょうか。
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