2022/03/16
変わる防災ビジネス 市民参加の新たな潮流
誰もがあたり前に着ているスーツやシャツなどのビジネスウエア。毎日着るものだからこそ、心地よさや丈夫さ、手入れのしやすさが求められ、日々進化する機能はビジネスパフォーマンスの向上に大きく役立ってきた。だが、それは実は日常時のビジネスシーンに限らない。非常時の活動からあらためて光をあてた時、進化する機能は予想を超えた効果を発揮する。洋服の青山ブランドを展開する青山商事(本社:広島県福山市、青山理社長)のフェーズフリーの取り組みを聞いた。
青山商事 本社:広島県福山市
●教えてくれた人
EC事業部長
岡本博さん
広報部マネジャー
鈴木翔太さん
リブランディング推進室マネジャー
山尾真実子さん
1964年設立。中核事業は各種衣料品の企画・販売。「洋服の青山」ブランドを中心に、スーツやシャツ、靴などのビジネスアイテムを販売する。従業員約1万1300人(連結)、売上高約1600億円(2021年3月期)。
――フェーズフリー商品の開発に取り組んだ背景を教えてください。
岡本さん(以下、敬称略) 新たに商品を開発したのではなく、当社は以前から機能商品の開発に力を入れてきました。例えばアイロン掛けがいらないノーアイロンシャツ、シワに強い形状記憶スーツ、家庭で洗濯できるウォッシャブルスーツ。丈夫に使えて手入れも楽、そんな観点の商品を増やすなか、1年ほど前にフェーズフリーの考え方に出会ったのです。
最初はCSRの要素の一つととらえました。しかし、いろいろ教えていただくうち、実際のビジネスにおいても高い付加価値が生まれることが分かってきました。
「洋服の青山」ブランドは、すべてのビジネスパーソンのパフォーマンスを高めるパーツの提供をパーパスとしています。1日の3分の1をワークウエアで過ごす彼ら・彼女らに対し、日常時だけでなく非常時のパフォーマンスも上げる商品を提供したい、そうした思いからフェーズフリーの取り組みを始めました。
出張、休憩そして非常時の首枕になる
「ネックピロージャケット」
裏地に取り付けた専用の袋に上着そのものを収納することで、ネックピロー(首枕)に早変わりするジャケット。高い防シワ性を生かした独自商品として2018 年から販売している。
出張時の移動時間を快適に過ごすためのアイテムとして開発、コロナ禍でテレワークが浸透するなか、オンライン会議用のジャケットや休憩中のリラックスグッズといった新たな需要に応える商品としても人気を集めている。
ジャケットの表生地は東レとのタイアップ生地で、遮熱効果と通気性が高く衣服内の温度上昇を抑制、快適な着心地を体感できるという。また家庭で洗えて乾きも早いなど、手入れの手軽さも特徴となっている。
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