(イメージ:写真AC)

2021年10月7日夜、千葉県北西部を震源とするマグニチュード6.1、最大震度5強の地震が首都圏を襲い、改めてわれわれに地震の恐ろしさを認識させました。

言うまでもなく、地震は水害や雪害と異なり、事前に予測して備えることが難しい災害です。ゆえに、何とか地震を予知・予測することはできないか、多くの研究機関や企業が取り組んできましたが、発生周期などから期間的に幅をとった予測(例:南海トラフ地震が30年以内に発生する確率は70~80%)をすることは可能であるものの、地震の発生時期や場所・規模を確度高く予測することは困難であると考えられています。

地震予測の現在

しかし、現在もさまざまな企業や研究機関が、予測手法の確立に向け不断の努力を続けられています。いくつかの例をご紹介します。

①JESEA(株式会社地震科学探査機構)

JESEAは、測量工学の権威である村井俊治・東京大学名誉教授らによって、東日本大震災を契機に設立された組織です。JESEAのアプローチは、地殻変動に着目します。

地震は、地球を構成しているプレートが、地下深いところで動くことによって発生します。JESEAの提供するサービス「MEGA地震予測」では、国土地理院が全国に約1,300点設置している「電子観測点」が、人工衛星から発射される信号を利用して測定している地表データを解析することで、地震の前兆現象である地表の異常変動を捉えて地震を予測します。

②地震解析ラボ

地震解析ラボは、地震の脅威にさらされている国が減災を実現し、持続可能な社会の発展を行えるようにと、地震予測情報を個人および法人に向けて配信している企業です。

地震解析ラボによる地震予測は、国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)が運用している地震観測網、Hi-net(高感度地震観測網)およびF-net(広帯域地震観測網)の地震計のデータをベースにしており、そこに加えて、地震に伴う電磁波現象としての、①VLF/LF電離層擾乱(じょうらん)、②ULF電磁放射、③GPS(全地球測位システム)電離圏モニタリングを解析するというアプローチです。