COVID-19に対する企業向けBCPガイドライン第2版

https://www.enterprisesg.gov.sg/-/media/esg/files/media-centre/media-releases/2020/feb-2020/guide-on-business-continuity-planning-for-covid-19_2nd-edition_final-140220.pdf?la=en

1月に公開した第1版を最新の情報に基づいて更新したもの。COVID-19の概要に加え、事業継続のために企業が行うべきことを人事面、事業プロセス・機能面、サプライヤー・顧客管理面、コミュニケーション面、感染症警戒レベル(DORSCON)への対応などにまとめ、詳しく紹介している。本編に続く付録(Annex)では、BCマネジャーの役割も分かりやすく明記している。

BCPにおける人事面の対応では、BCマネジャーを指名し、従業員がBCPを十分に理解して従えるようにすること、役員や重要な意思決定者の不在時にリーダーシップを確立するための計画、自宅待機の必要がある従業員への柔軟な就業体制の考慮、政府機関などによる渡航・健康に関する勧告や検査・休職指示の厳守、感染拡大期の中国への渡航経験または予定のある従業員からの健康・渡航申告の収集などを求めた。

事業プロセス・機能面では、最優先の事業活動や不可欠な従業員の特定、作業スケジュールの分割が可能な代替チームの組織、業務補完のための従業員訓練、訪問者や従業員のスクリーニング検査と対策、適切な個人用防護具の十分な供給とその使用訓練、感染に曝露する職場の清掃・消毒などが重要とした。

サプライヤー・顧客管理やコミュニケーションの面では、不可欠なサプライヤーやサービス事業者の特定と事業継続対策の協議、不可欠な顧客の特定と顧客ニーズに対応した計画の確保、代替サプライヤーへの切り替え方法や時期、顧客への納入のための代替手段に関する計画の策定、感染拡大時の緊急時計画についてサプライヤー、サービス事業者、顧客との会話の開始などの必要を指摘した。

感染症警戒レベル(DORSCON)については、事業継続対策や感染制御対策の発動時期の判断指針として採用することを求め、レベルに応じた対応の変化や、政府機関の勧告に沿った柔軟な対応をとることが重要とした。また、感染拡大が沈静化した際の通常業務体制への復帰手順も確立する必要を指摘した。

 

付録に記載したBCマネジャーの役割には、最新状況の継続的なモニタリング、役員から従業員へ明確な指示発信、最新情報に基づいた社員教育、コミュニケーション・コンタクト情報の確認、社員の渡航管理、備蓄や衛生環境の確認、隔離室や発熱した従業員のための医療施設の特定、検温・スクリーニングなどを挙げた。

そのほか、危険度に応じた渡航の判断や、来場者の入館についてスクリーニングする際のフロー図なども付録に掲載している。