FD-CPRの最大の特徴は、隊員同士で助け合うところ

動画を見ると分かりますが、FD-CPRの最大の特徴は、隊員同士で助け合うところ。さらに救助方法を操法のように具体的&スムーズにすることによって、救命率を上げることです。

また、FD-CPRは火災現場における空気呼吸器着装時の場合以外に、水難救助現場におけるスクーバセット装着時、アイスレスキュー(氷った湖での転落事故等)におけるドライスーツ、防毒服や化学防護服の脱着方法と救急法など、災害現場に応じてさまざまなバリエーションがあります。

日本の消防学校では、要救助者の救出・救命方法は学びますが、隊員同士を守る具体的な救助術は教えていないと思います。

日本では火災件数が毎年減少傾向にあるため、その分、消防士たちの現場経験も減っており、危険予知などの消防特有の能力を実際の現場で鍛えることが難しくなってきています。

また、実際に建物を燃やして黒煙の中で訓練する施設、機会も減っていると消防関係者から伺っています。

そのような意味でも、このような「倒れた仲間を助けるためのCPR」を取り入れることは、消防に携わるものにとってとても重要なことだと考えます。日本の消防署や消防団の皆さんも、ぜひ一度ご覧ください。

アメリカの消防団員が自ら考えた、「消防士による消防士のためのCPR:FD-CPR」から、その工夫や行動力を見習い、また、やる気=本気・正気・意気・元気も学びたいですね!

私は今年4月、ミネソタ州ミネアポリスで行われたFD-CPRのインストラクター講習にて、日本でFD-CPRを教える資格を得てきましたので、ご興味のある消防士の方は、ご連絡ください。

ミネソタ州ミネアポリスで行われたFD-CPRのインストラクター講習会にて。左から2番目がサニーカミヤ氏

出典:Leland Volunteer Fire Department  : Fire Rescue

一般社団法人日本防災教育訓練センターHP
http://irescue.jp

(了)