全条件そろったBCPは1割未満
内閣府と消防庁は12日、全国の市長と東京都の特別区長を対象とした「全国防災・危機管理トップセミナー」を、東京都千代田区の全国都市会館で開催。約150人の首長が参加した。消防庁からは市町村の災害対応力の強化に向けて、水害の警戒レベルの周知や庁舎の耐震化などが呼びかけられた。
消防庁から市町村の対応力強化に向けた説明が行われた。市町村のBCPとされる業務継続計画の策定状況は2018年6月の調査で市町村1741団体中80.5パーセントにあたる1402団体で策定されており、前年調査より285団体増加している。
消防庁では業務継続計画の中核として下記の6要素を挙げている。前述の1402団体は、この6要素のうち一つでも該当する計画を策定すれば該当する。
(1)首長不在時の明確な代行順位および職員の参集体制
(2)本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定
(3)電気、水、食料などの確保
(4)災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保
(5)重要な行政データのバックアップ
(6)非常時優先業務の整理
さらにこの6要素を細かく分けた11項目に対応しているかを調査している。下記の表の通り、燃料の備蓄や非常用発電機の設置などは達成率が低く、11項目を全て満たしているのは8.7パーセントの152団体にとどまっている。
消防庁では早期のBCP策定に加え、内容の充実も促しており、内閣府と共に市町村のBCP担当者向けへの研修なども実施している。この日も未策定の339団体のうち2018年度内に155団体が策定予定としていた旨の報告も行われた。
防災拠点となる公共施設の耐震化では、2018年3月末時点で93.1パーセント。避難所となる文教施設が98.5パーセントに達しているのに対し、対策拠点となる庁舎は84.0パーセントにとどまる。災害時に有用な公共施設の耐震化のための地方債で、7割を国負担とできる緊急防災・減災事業債の適用を4年延長し2020年度までとしたことなどを説明し、耐震化の促進も呼びかけられた。
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